桜盆栽について

盆栽というと松などをイメージしますが、桜にも盆栽があるということはご存知でしたか。春が近づくと、園芸店やホームセンターで、桜の小さな鉢植えなどが販売されています。
桜は春を知らせる代表的な花で、日本らしい季節を実感させてくれますよね。桜盆栽は春に開花して、夏は緑の葉っぱになり、秋は紅葉まで楽しむことができるのです。
屋外で桜の木を鑑賞するように、コンパクトに室内で季節感を満喫できるものが桜盆栽。そもそも桜の種類は、主に里桜と山桜の2種類があります。
公園や街中に咲かせる里桜は庭でも植栽されるように、品種もバラエティに富んでいることが特徴。人気があるものは、彼岸桜やソメイヨシノです。山桜は自然に自生する品種で、富士桜や寒桜が有名になっています。
初心者にオススメなのは旭山桜!
桜盆栽の育て方は品種によって難しく、根株と枝のバランスが悪くなり枯れてしまうこともよくあります。初心者やプレゼントにも人気があるオススメは、「旭山桜」という品種。
旭山桜は一才桜という別名があり、鉢植えに適している特徴があります。八重の美しいピンク色の花を咲かせ、木が小さいうちから開花させるので、盆栽が初めての人にも人気。旭山桜は開花期間が長く寒さにも強いことや、他の桜よりも成長力が強いことも初心者向けといわれる魅力です。
育てる場所について
桜盆栽はとても高価な印象がありますが、ネット通販でも4,000円前後から手頃な値段で購入できます。品種によって育て方は若干異なりますので、初心者向けの旭山桜で詳細をご説明していきましょう。
育てる場所は風通しのよい屋外で、冬は霜や雪の影響を受けない軒下などが理想的。屋内で育てる場合は窓際など、日当たりのよい場所に置いてください。
屋内の場合、お天気がよい日は窓を開けて、風通しをよくすることがポイントです。夏の酷暑の時期は日陰に移動、もしくは葦簀(よしず)などを使い、涼しい空間を作ってあげましょう。
水やりと肥料について
桜は根っこからの水分吸収がとても早いので、水やりがとても重要。夏場は1日2回、春や秋は1日1回~2回、冬場は1日置き、もしくは週に2、3回水やりをしてください。
タイミングは土の表面が乾燥してきた時で、水やりをする際は盆栽の下から水が流れるくらいたっぷりあげてください。水やりが多すぎると、枝や幹が伸びすぎて葉が多く茂ってしまい、花が少なくなることもあるのでご注意くださいね。
桜盆栽の育て方のコツは、花の咲く時期が終わってからの肥料。色々な種類がありますが、初心者が使いやすいオススメは玉肥です。土の上に数個置き、徐々に溶けて土の中に栄養が行き渡ります。肥料をあげるタイミングは、花後~7月までの間、真夏を避けて9~11月にも与えましょう。
剪定について

剪定は余分な枝葉を減らしたり、風通しをよくして病害虫を予防したり、さまざまな目的があります。旭山桜の場合は、自然のままで剪定せずに育てるのが理想的。
その理由は、剪定した部分から芽が出づらくなるためなのです。もし枝が込み合っている場合は早めに剪定しておき、花芽がつかない5月くらいに軽くやっておきましょう。
剪定をする場合は清潔なハサミを使用して、育ちすぎた枝が枝分かれする位置をカットしてください。成長途中の場合は、根元に近いものを残して剪定することがコツです。
桜は切った部分から腐りやすい特徴がありますので、剪定した部分は切り口を垂直にして水が出にくくしてもよいかもしれません。もしくは切断面に防腐剤を塗っておくこともオススメです。剪定する位置は、葉芽の少し上のところを目安にするとわかりやすいでしょう。
植え替えについて
大きくなってきた時、元気がなくなってきた時は植え替えが必要です。桜盆栽の育て方で大切なのは、元気な時に植え替えをすることで、落葉して本格的に冬を迎える前がタイミング。植え替えの方法は、現在の鉢よりもひと回り大きいサイズの鉢を用意し、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて使いましょう。
鉢底石を入れて用土をセットしたら、桜盆栽を取り出して根っこ部分を剪定します。健康なものは白い根なので、黒く変色している根はカットしておくこと。新しい鉢に根を崩した状態でセットして、根の周りに用土を入れておきます。桜盆栽を綺麗に見せるなら、表面は赤土玉だけにしたり、化粧砂にしたりしてもよいでしょう。
きちんとセットできたら、たっぷり水をあげてください。鉢の下から透明な水が流れてくるまであげることがポイントです。
まとめ
桜盆栽は育て方が比較的簡単な品種で、まずはトライしてみませんか。花見シーズンに外出できないストレスは、育てる楽しみもある桜盆栽があると自宅で解消できるでしょう。