麦の種類について
白米だけのご飯がとても高価で食べられなかった昔、麦を混ぜたご飯が定番になっていました。今ではコスト面ではなく、麦の栄養価やメリットが注目され、麦飯を選ぶ人が増えています。
日本で栽培される麦は、小麦・六条大麦・二条大麦・はだか麦の4種類。肥料用としてエン麦やライ麦も栽培されています。麦飯に使われるのは大麦で、麦チョコ、焼酎やビールの原料としてもお馴染み。天然酵母パンやオーガニックの食材などでもあらゆる麦が使用され、麦は健康食として認識している人も多いのではないでしょうか。
もち麦とは何か?

もち麦は、餅性遺伝子型を持つ大麦のこと。間違えやすいオートミールは押し麦を使いますので、もち麦とは違うものです。もち麦の栄養はたんぱく質や脂質、炭水化物以外に、鉄、マグネシウム、カリウム、食物繊維などが多く含まれています。
とくに食物繊維量は、白米の20倍以上ともいわれていることが魅力のひとつ。100gあたりの食物繊維量は約9.6ℊで、ごぼうの約5.7ℊよりも遥かに多い量となります。
もち麦は腸内の善玉菌を増やす効果も期待されているため、腸内環境を整える作用もあるかもしれません。さらに「大麦β-グルカン」も含まれていることから、さまざまな世代の人たちに注目されています。
現代人に不足気味の食物繊維
野菜不足や雑穀類などの摂取が減っているとされる現代人は、食物繊維不足になりやすい傾向も。もち麦の魅力は食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、どちらも含まれていることが特徴です。
日本の食文化で欠かせない主食のご飯。昔は麦を多く食べることがありましたが、次第に白米がメインとなり、しかも食が多様化して若い人のご飯離れも進んでいるといわれています。
食物繊維を摂取することで、腸内の調子を整えることができる可能性もあるでしょう。ストレスが溜まりやすい社会においても、食物繊維は健康に欠かせないといえますね。
白米にはミネラルが豊富?
もち麦の魅力は、白米にほとんど含まれないビタミンやミネラルが豊富に含まれていますので、白米だけのご飯よりも栄養価がプラスされる可能性があります。
アンチエイジングの効果も期待できるビタミンEは、白米の3倍も含まれているといわれているので、女性の美容効果もあるかもしれません。
ただしもち麦は炭水化物なので、食べすぎるとカロリーの過剰摂取になるリスクもあります。いつものご飯の量を意識して、上手に取り入れてみましょう。
もち麦の美味しい食べ方について

もち麦の魅力は栄養価だけでなく、お米とは違ったもちっとした食感が人気です。一番簡単な食べ方は、精白米に混ぜて炊いて食べる方法。もち麦だけだと味に癖があり、食べにくいと感じることもあるかもしれませんので、最初は白米の割合を多めにして徐々に調整してみましょう。
またもち麦には「大麦β-グルカン」が含まれているとされていて、朝食時に食べると一日の糖質量がコントロールしやすくなる可能性もあるのです。
白米と一緒に炊く場合は、事前に1時間ほど水につけておくことがコツ。固いままだと、消化不良を起こしてしまうリスクもあるのでご注意ください。
水の量は、もち麦に対して2倍量が目安。テクスチャーはお好みで調整してみましょう。またもち麦の魅力は、ご飯だけでなくスープの具にしたり、サラダのトッピングにしたりすることもできる点。生野菜のシャキッとした食感ともちもち感が同時に味わえるため、いつものサラダがさらに楽しい仕上がりになるかもしれません。
もち麦レシピは作り置きも可能!
忙しい朝食の支度で、もち麦の下準備をするほどの余裕はないかもしれませんよね。そんな時は作り置きしたもち麦のおかゆがオススメ。作り方は通常のもち麦の水の割合でセットし、炊飯器で炊いたら鍋に鶏ガラスープを適量作り、出来上がったもち麦を入れて20~30分ほど弱火で煮込んでください。
泡立て器でかき混ぜて、もち麦の粒を半分ほど崩しましょう。おかゆはお好みのトッピングで、キムチや茹で鶏肉など、夕飯の残りもオススメです。
野菜のみじん切りを合わせておけば、さらにビタミンや食物繊維も補給できる可能性も。鶏ガラを使用しないおかゆなら、スムージーに混ぜることもできますし、冷凍庫で小分けにして1週間未満程度保管することも可能です。
まとめ
もち麦の魅力は、まず健康にメリットが期待できることです。スープやサラダなど、白米では作れないレシピにも対応できるため、オリジナルの食べ方をぜひ発見してくださいね。健康をサポートするには、毎日の食生活がとても大事です。麦はなんとなく食べにくい印象がありますが、もちっとしたもち麦なら抵抗なく食べられるのではないでしょうか。