【書評】知識武装を手に入れる『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』

【書評】知識武装を手に入れる『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』

「この日本、今のままで大丈夫」と疑問を持つ人が増えています。「年金問題」「高齢化社会」「医療制度」など、問題は様々。しかしメディアを見ても、それら問題に警鐘をならす人はいません。今日はそんな隠された真実を、一刀両断する本をご紹介します。


著者・あらすじ

ひろゆき(西村博之)

1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴ(現・株式会社ドワンゴ)の取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示版「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。

あらすじ

「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」の創設者が、世の中の隠された真実について解説します。「高齢化社会の真実」「働き方の真実」「会社の真実」など、目からうろこの情報がまとめられています。

1. 現実との不一致

今や日本は、少子高齢化社会を迎えています。高齢化によっておこる主な弊害は、「経済成長の衰退」「社会保障制度の負担増大」などがあげられます。しかし著者である、ひろゆき氏は、もっと本質的なことを述べています。それが、「歪な比率」です。「歪な比率」とは、若者と高齢者の比率のことです。65歳以上を高齢者とした場合、2019年は、28.4%だったのが、2025年には30%、2055年には38%に達すると予測されおり、人口のほぼ4割が高齢者という社会が迫っているのです。

この「歪な比率」によって、年金制度、医療制度が限界を迎え、制度と現実との不一致が起こるのです。さらに、ビジネスシーンでもそれは顕著です。会社でも高齢化が進むと、結果として経営が弱体化します。かつて、大手航空会社だったJALが破綻した原因は、「社内年金制度」でした。定年退職する社員にたくさんのお金を払ったので、経営が傾きます。

高齢の経営者、幹部はそれを知っていたのにも関わらず、制度を変えようとはしませんでした。なぜなら、制度を変えてしまえば、自分がその甘い蜜を吸えなくなるからです。このように、歪な比率という現実の不一致によって、社会も会社も弱体化し、それを変えようと思っても、変えられない現実があったのです。

2. AIに仕事を奪われる

「AIに仕事を奪われる」「AIによって消える仕事」と言われ、久しいですが、実際のところどうなのでしょうか?ひろゆき氏曰く、「AIが人間の能力を超えるシンギュラリティは必ず、しかも近いうちにやってきます。」その理由は、「人件費を大幅にカットできる」からです。AIは就業時間に関係なく、それも人間の何倍も働いてくれるし、福利厚生もなく、賃金を上げる必要もありません。経営者であれば、必ず導入したくなるのではないでしょうか。

大打撃を被るのは、年収800万円のホワイトカラーたちです。なぜなら、AI以外にも、RPA(Robotic Process Automation)という技術は、請求・精算などの金銭にまつわる重要な事務仕事を簡単にこなしてしまうからです。これにより、人間でなくてもできる時代が到来しているのです。2015年に野村総合研究所が発表したデータによれば、「日本国内の601の職業について2030年にはその49%がAIやロボットにとって代わられる」という報告があります。

では、AIによって人間は不利になってしまうのかと言えば、答えはノーです。余計な人件費を払う必要のなくなった「経営者」や、その会社の株を持つ「株主」は、大きな恩恵を受けることになるのです。以上を踏まえると、10年後の近い未来は、ほんの一握りの豊かな人たちと、それ以外の貧しい人たちの二極化が進むのです。

3. 「ブラック企業」はなくなる

では、わたしたちの最も身近にある「ビジネスシーン」は一体、どんな真実があるのか見ていきます。日本労働組合総連合会が行ったアンケート調査によれば、正規労働者にもかかわらず、4割強が「残業代の不払いがある」と答えています。さらに若い世代、20代の3人に1人は「自分の勤務先はブラック企業だ」といった回答があり、働く側の感覚としては、「日本はブラック企業だらけ」なのです。

著者のひろゆき曰く、「僕は、本当のブラック企業はだんだん駆逐されていき、『いいブラック企業』が残っていくと考えています。」「いいブラック企業」とは、大儲けを狙わない企業のことです。例えば、ずっと同じような商品をつくり続け、最低限の利益を確保し続けているような会社のことです。このようなビジネスは新規参入やライバルが少ないので、生き残っていく可能性が高いのです。

さらに、そうした企業はノルマが少ないため、職場の雰囲気もよく、従業員は居心地よく働けるでしょう。すると社員は「社長もいい人だし、多少のサービス残業くらいしてもいいかな」と思え、納得して働けるのです。これこそが、「いいブラック企業」であり、社会から批判されることなく、生き残っていくのです。

まとめ

『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』をご紹介しました。真実はいつの時代も、公になることはありません。なぜなら、そこに決定権者の思惑があるからです。私たちは、そんな隠された真実を意識し、目を向けることで、歪んだ社会になっても生き抜くことができるのです。

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