【書評】今を知ることで見えてくる『2040年の未来予測』

【書評】今を知ることで見えてくる『2040年の未来予測』

「日本の将来が不安だ」と感じている人が増えています。だからといって、何をどうすればいいのかわかりません。この答えの最適解は「知ること」です。そこで今日は、今を見据え、将来を見通すための一冊をご紹介します。


著者・あらすじ

成毛眞

1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト』(KADOKAWA)、『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』(SB新書)など著書多数。

あらすじ

元マイクロソフト社長が、2040年を予測します。「6Gとは」「2040年の経済」「日本の教育」など、日本の20年後を網羅できる情報がまとめられています。

1. 「6G」の世界とは?

今や、NTTドコモやソフトバンクのCMで「5G、5G」と騒がれていますが、そもそも「5G」とは、一体どんなものでしょうか?5Gとは、無線の国際規格のことで、「4G」「5G」と世代が変わると、通信速度が速くなり、情報伝達量が増えるのです。「4G」は「通信速度が速い、情報伝達量が多い」といったもので、「5G」は「4Gの100倍の速さ」と言われます。

そして2030年に登場するとされている「6G」は、「5Gの10~100倍の速さ、同時に接続できる機械が1000万台」と言われます。では、6Gが普及したら、どんな世界になるのでしょうか?それが、SF映画で登場するような「自動運転バス」「ドローンの配達」「遠隔手術」などです。「自動運転」でいうと、ネットワークに接続された公共のバスや電車などは、輸送や物流に高い効率性をもたらします。

車両ごとにカメラやレーダーなどの膨大なセンサーが、走行中に周囲の地図を自動生成したり、衝突する可能性がある通行人や車両などが、把握できたりするようになります。「ドローンの配達」が当たり前となり、どこにいても欲しいものが手に入ります。以上を踏まえ、「自動運転」や「ドローンの配達」などを可能にするのが「6G」だったのです。

2. カギとなるは「テクノロジー」

では、2040年の経済は一体、どのようになるのでしょうか?著者の成毛氏は、「経済成長はこれからほとんど見込めない。GDPの成長率も2030年以降は、マイナス成長やほぼゼロと予測。」その大きな原因が「高齢化」です。財政の健全度を示すと言われる債務残高は、IMFの調査団188カ国によれば、日本は、188位と最下位です。

この借金だらけの国を立て直すには、単純な話「支出を減らせばいい」のですが、それに歯止めをかけるのが「高齢化」です。高齢化によって、医療や介護、年金などの社会保障費が年々膨らんでいるので、「支出を減らす」ことができないのです。少子化によって人口減少社会に突入していることもあって、さらに拍車をかけた状態です。さらに、それら社会保険料の源泉となる、「労働力」も減っているので、結論としては、2040年は「成長は見込めず、CDPも伸びない」となるのです。

では、何か打開策はないのでしょうか?著者が注目するのは「テクノロジー」です。国全体の医療費や介護費を下げるには、医療に関するマンパワーを減らすしかありません。このマンパワーを減らすには、「テクノロジー」です。AIを導入したり、介護ロボットを導入したりすることで、人手不足が緩和し、コストも下がるのです。結果的に、スタッフの負担も減り、医療費や介護費を大きく減らすことができるのです。

3. 好きなことをして生きる

2040年の「教育」に目を向けてみます。著者の成毛氏曰く「日本では学歴の意味がなくなる」と述べています。その理由は、日本の教育水準は、国際比較すると大幅に低下しているからです。大学の進学率でいえば、OECD加盟36カ国の大学進学率は58%。日本は49%にとどまっていると言われます。さらに大学に入ったとしても、「小学生より勉強時間が少ない」といった試算もあります。

なぜ勉強しないのかというと、勉強してもしなくても、大半が入社する企業での処遇がほとんど変わらないからです。アメリカでは大卒と博士課程修了者は初任給が5割違い、日本はよくても2割程度とされます。それらの理由から、勉強をしない学生がほとんどなのです。以上のことから、少子化が進み、若い人の人口が減った今、売り手市場になりつつある学歴は、かつてほど「価値がなくなっている」ということになります。

ではこれからの時代、どういった教育方針が必要なのでしょうか?成毛氏は「これからは、親も子供に、それぞれが好きなことを見つけて、好きな仕事や自分の人生を創造する後押しをしてあげるべき」と訴えます。従来にある「勉強していい大学に入って、大きな会社に入る」といった考えはすでにオワコン化していたのです。

まとめ

『2040年の未来予測』をご紹介しました。未来を考える上で必要となってくるのが「今を知ること」です。なぜなら、予測は「今あるもの」を基準に立てられるものだからです。しかし、私たちの住んでいるこの日本は、とりわけ不都合な真実は報道されません。したがって、今を見る目が必要となってくるのです。情報を精査し、自分なりに解釈することが、未来を見通せる力となるでしょう。

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