【書評】『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

【書評】『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

みなさんも「会社に行くのがツラい…」と思ったことが一度や二度はあるでしょう。しかし、生活や社会的信用があり、逃げ出すことができないというのが現実です。一体、どうしたらいいのでしょうか?そこで今日ご紹介するのは、ストレスでメンタルが壊れる前に読んでおきたい一冊です。本書を読むことで「メンタルアップの極意」を手に入れることができるでしょう。


著者・あらすじ

Testosterone

1988年生まれ。学生時代は110キロに達する肥満児だったが、米国留学中に筋トレと出会い、40キロ近いダイエットに成功する。大学時代に打ち込んだ総合格闘技ではトッププロ選手と生活をともにし、最先端のトレーニング理論とスポーツ栄養学を学ぶ。日本の「筋トレ不足」を憂い、筋トレと正しい栄養学の知識を日本に普及させることをライフワークとしている。

岡琢哉

1987年生まれ。岐阜大学医学部卒業・初期研修を終了後、一般精神医学、児童精神医学の臨床・研究に従事し、精神科専門医・指導医等の資格を取得。関東圏で児童精神科医として実務を行う中でメンタルヘルス予防の重要性を実感し、筋トレのメンタルヘルスに与える影響に興味を持ったことから、Testosteroneと意気投合。現在は大学院に所属した上で、都内の発達障害専門クリニックで臨床にあたっている。自閉症スペクトラム、ADHD を含む発達障害/ 子どもと大人の不安障害/ 精神療法を専門としている。

あらすじ

筋トレ伝道師が、メンタルアップ術を公開します。「メンタルを守る3つの要素とは?」「予防の重要性」「メンタルヘルス問題の知識と対処法」など、エビテンスをもとにした情報が網羅されています。

1. 適正体重はメンタルも適正にする

食生活や体重がメンタルに大きな影響を与えているといいます。「日本生物学的精神医学誌」によると、「うつ病患者の人の中には、BMI(Body Mass Index)が25以上の人が多かった」とあります。BMIとは、肥満度が示す体格指数で、体重を身長の2乗で割った計算式で表します。正常体形と言われる数値は「BMI18.5から25未満」と言われ、この数値に満たない人、この数値を超えてしまう人は、うつ病群として判断されるのです。

したがって、メンタルを守るには、この適正体重を維持することが重要なのです。しかし、食べ物が豊富、おいしいものがたくさんある現代。自分の体重を維持するのは、なかなか難しいかもしれません。そこでおすすめするのが、「たんぱく質」です。高たんぱくな食事をすると、空腹感を抑えることができるのです。Leidyらの研究によると、被験者に、「シリアルなどの低たんぱくメニュー」と、「ヨーグルトなどの高たんぱくメニュー」を交互に試してもらいます。

その結果、「高たんぱくな朝食を食べることで、その日1日の間に空腹を感じることが少なかった」のです。さらに鶏肉や牛肉、豚肉などに含まれるトリプトファンは、その血中濃度の高さとメンタルヘルスに関連性があると言われ、精神を安定させる効果があるのです。以上を踏まえ、BMIを維持するためには、爆食いを抑える高たんぱくメニューがおすすめだったのです。

2. 適正睡眠はメンタルを適正にする

メンタルを守るためには、「睡眠」も欠かせません。著者であるTestosterone氏も、「睡眠大切です。ハッキリいって、筋トレよりも大切です。」と述べています。高齢者を対象とした調査では、「睡眠効率が短くなるほど、死亡率が高まり、病気やうつのリスクも高まる」といった結果が出ています。さらに、英国の26校の大学生3755人を対象とした研究では、不眠症を改善したことで、偏執病や幻覚症状が軽減したと言われます。これを踏まえると、身体的な健康面だけでなく、睡眠とメンタルには深い関係性があったのです。

睡眠時間を確保することの重要性は理解できました。では実際、何時間寝ればいいのでしょうか?米国の組織であるNational Sleep Foundationによると、「25歳から64歳の睡眠時間が7~9時間」という指標を出しています。さらにWHOでも、大人は平均して8時間の睡眠が必要と明言しており、それらを考慮すると「だいたい8時間前後」が適正な睡眠時間となるのです。

この適正睡眠時間を確保するには、「就寝時間と起床時間を一定にする」ことが必要です。男女16人を対象にした調査によると、土日に寝ていられるだけ寝る場合と、平日と同じように寝た場合、前者の方が、翌週の眠気や疲労度が強まることがわかっています。このように8時間の睡眠時間を確保しながら、一定の就寝、起床リズムをとることで、メンタルを守ることができるのです。

3. 適正運動はメンタルも適正にする

メンタルを守るためには、「運動」も欠かせません。なぜなら、運動とメンタルヘルスには密接な関係があるからです。アメリカで、2011年から2015年にかけて100万人を対象とした調査では、運動を行っていない人より、運動を行っている人たちの方が、精神状態が良い日の割合が40%も多かったといいます。

特によかった運動が①チームスポーツ②サイクリング③ジムアクティビティ④ランニングでした。チームスポーツが良いとされる理由は、達成感や貢献感を持てることにあります。さらに自分の好きなスポーツ、エクササイズを好きな人と一緒に行えることもメンタルにいい影響を与えます。しかし、いくらメンタルにいい影響を与えるといっても、やり過ぎは禁物です。「運動時間が週6時間を超えるとメンタルヘルスが悪化する」と言われており、注意が必要です。

運動がメンタルにいい影響を与えることは理解できました。では、そこにどんなエビテンスがあるのかを見ていきます。「運動とうつ病の薬の効果を比較した研究」によると、週3回、30分間、70~80%の強度でウォーキングかジョギングを行った場合、うつ病の薬に近い効果があるという結果が出ました。さらに、毎週50分運動すると、うつ病になる確率が50%も低下しました。このように有酸素運動はうつ病に対して効果があり、メンタルに好影響を与えるのです。

まとめ

『心を壊さない生き方』をご紹介しました。最後に著者のTestosterone氏は「一番大切なことは、自分は独りじゃないって気づくことなんだ。」と述べています。私たちはどうしても、体や心に不調を感じると、自分ひとりで抱え込もうとしてしまいます。しかし、それを体験しているのは自分だけではないこと、また、克服した人がいる事実です。これを踏まえ、正しい知識と正しい対処法があれば、がんばらなくても乗り越えることができるのです。

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