【書評】AI時代を迎える前に知っておきたい『10年後に食える仕事 食えない仕事 AI、ロボット化で変わる職のカタチ』

【書評】AI時代を迎える前に知っておきたい『10年後に食える仕事 食えない仕事 AI、ロボット化で変わる職のカタチ』

「AIに仕事を奪われる」と叫ばれて久しいですが、実際、どんな仕事が奪われるかご存知ですか?これから迎えるAI時代で生き残るためには、やはり「知識」が重要となります。そこで今日は、AI化によって職場がどう変わるのかが理解できる一冊をご紹介します。


著者・あらすじ

渡邉正裕

ニュースサイト『MyNewsJapan』のオーナー、編集長、ジャーナリスト。1972年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、日本経済新聞の記者、日本IBM(旧PwCコンサルティング)のコンサルタントを経て、インターネット新聞社を創業。

あらすじ

雇用・労働問題を専門とするジャーナリストが、10年後の職場のカタチを提唱します。「AI化に強い仕事」「AI化で奪われる仕事」「AI化で生まれる仕事」など、AI時代の「仕事」について解説します。

1. 永遠に奪われない仕事の条件とは?

本書はAI化が進み、確実になくなる仕事と、なくならない仕事についてまとめたものです。そこで明らかとなったのが、「AIに奪われない仕事=人間の強みが活かせる仕事」ということです。つまり、「自動化のボトルネックとなる要素が仕事の核」となる職種は、AI時代が来てもなくならないのです。

著者は、自動化できない業務、①創造ワーク②感情ワーク③信用ワーク④手先ワーク⑤ボディワークの5つをあげます。ここでは、「①創造ワーク」「②感情ワーク」「⑤ボディワーク」の3つを紹介します。

「①創造ワーク」とは、創造的知性が必要なタスクで、ゼロから1を生み出す発想力や構想力のことです。主な職種として、小説家、漫画家、作曲家、お笑い芸人、画家、建築家、デザイナー、プロデューサーなどがあげられます。

「②感情ワーク」とは、社会的知性が必要なタスクで、他者を助け、気遣う力のことです。介護福祉士、看護師、保育士、学校教師、高級レストランのウェイター、ホテルスタッフ、などがあげられます。

「⑤ボディワーク」とは、フィジカルパワーが必要なタスクで、人間が現場に行くことではじめてミッションを達成できる業務を指します。警察、消防、救命士、自衛隊、警備員。災害後のインフラ整備にあたる電気・ガス・水道工事の現場技師などがあげられます。このようにAI時代が来てもなくならない仕事とは、「AIやロボットの弱点」がメインの仕事だったのです。

2. AIに奪われる業務とは?

では、逆にAIに奪われてしまう業務とはなんでしょうか?結論としての例をあげると「コールセンター」です。「コールセンター」は、著者がまとめた「AIが得意な3つの要件」を満たしているからです。3つの要件とは、次の通りです。

① 業務に必要十分な情報を「デジタル形式」で取得できる

高精細カメラ・センサー、半導体、GPS、通信技術の進化により、低消費電力で大量の情報をリアルタイムにデジタル形式で取得できるようになりました。これをメインとしている業務はロボットにとって取って代われるといいます。さらに、IoTの技術により、あらゆるモノとデジタルが結合できるので、さらに顕著となります。

② AIが分析できる範囲内である

情報処理能力が進化し、ディープラーニングによる、多変量解析で特微量を自動抽出できるようになったので、人間を超える確率で、目的に沿った正しい答えを出すことができます。しかし、AIは「人間界の常識」をもとに理解する能力がないので、AIの分析できる「範囲内」に限った話です。

③ 物理的に執行環境が整備されている

これは業務を遂行するための、物理的な身体性のことを指します。無人レジ、ネット広告配信などがそれに当たります。しかし、AIの画像処理技術によって、群衆の中にテロ容疑者を発見できたとしても、身柄を確保できるのは人間しかできません。ボディワークではなく、知能面に限った話です。「コールセンター」以外にも、これら3つの要件を満たす業務は、AIに取って代われてしまうのです。

3. AI化でわたしたちの生活が快適になる

AI化に強い仕事、奪われる仕事などを紹介してきましたが、AI化によって、わたしたちの生活が快適になることも事実です。それはどんな業務かというと、「100%正確であることが求められる業務」です。これは、「人間ではミスも多いが、AIならば100%に近い精度で実現できる」といった業務を指します。

例えば、「スポーツの審判」がそれにあたります。野球の球審は、AI判定で自動化したほうが、正確性、納得性が高まります。これが、全国の野球チームや学校に普及されるようになれば、部活で朝から晩まで拘束される先生の負担を減らしたり、もっと大事なところに時間をかけたりできます。他にも人命に関わる「医療」や「交通」の分野では、「100%正確であること」が求められます。

「医療」でいえば、治す方法が存在しない「緑内障」です。この病気は、治す方法が存在しないので、早期発見がカギとなります。AIに眼底写真を何十万枚も読み込ませて分析することで、人間にはわからない病気の兆候を発見できるのです。他にもアルツハイマー、脳溢血、椎間板ヘルニアなど、レントゲン画像からリスクを発見できるのです。このように、「100%正確」という分野にAIを導入することで、わたしたちの暮らしはより良いものとなっていくのです。

まとめ

『10年後に食える仕事 食えない仕事』をご紹介しました。本書は、AIによって職場がどう変わるのかをまとめたものです。よく「AIに奪われる」と言われますが、これは「時代によって淘汰される仕事」とも捉えられます。時代が変わるごとに生まれる仕事、そして無くなる仕事は確実に存在し、これは逆らうことのできない「流れ」なのです。これを頭に入れながら時代を先読むことで、生き残ることができるのです。

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