【書評】これからの時代に必要な「知識」を手に入れる『10年後、ニッポンの職場はどう変わる!? 同僚は外国人。』

【書評】これからの時代に必要な「知識」を手に入れる『10年後、ニッポンの職場はどう変わる!? 同僚は外国人。』

労働力不足が懸念されている日本。少子高齢化によって、今後、日本の働き手がいなくなることが明らかとなっています。労働力がなくなれば文字通り、税収もなくなり、国そのものが破綻する可能性があります。実のところ、この深刻な問題を解決するキーマンがいます。それが「外国人」です。そこで今日は、今後、労働の主力となるかもしれない、外国人との働き方について、まとめられた本をご紹介します。


著者・あらすじ

細井聡

特定行政書士。1957年生。東京都出身。南山大学独文科卒。さまざまな国のさまざまな外国人を受け入れ、彼らの就職や起業などの支援に携わり、現場の最前線で業務に当たっている行政書士。

あらすじ

行政書士が、外国人との働き方について解説します。「外国人労働者の実態」「外国人労働者をとりまく問題」「外国人との付き合い方」など、同僚が外国人になってもうまく付きあっていける方法を授けます。

1. 同僚は外国人になる?

著者は、「今後、日本で働く外国人は増えるのか、増えないのか」という質問に、「制度の問題ではなく、経済的に魅力があるかどうか」と答えています。実のところ、外国人が日本にやってくる理由は「お金が稼げる」という、経済的理由があるからです。いくら受け入れ制度が整っていても、経済的魅力がなければやってこないのです。

想像すればすぐにわかることですが、優秀な人材というのは、常に「自分が高く売れるマーケットにいたい」と思っています。外国人も同じで、自分を高く買ってくれるマーケットに行きたいと思うのです。まずは、ここを念頭に入れておきたいところです。

では、10年後の日本の職場は、外国人ばかりになってしまうのでしょうか?2018年12月、今まで外国人労働者を受け入れてこなかった日本は、5年間で約35万人の外国人労働者を受け入れることを決定しました。しかし、実情は新在留資格である「技能実習」で入国した外国人は、わずか400人ほどでした。

いっこうに進まないように見える「特定技能」ですが、企業は別の動きを見せています。「積水ハウス」では、ベトナムのハノイに住宅の建設工事を訓練する施設を開き、技術や日本語の指導をして、最終的に日本に送ると決定しています。大手外食産業、介護の分野でも同じような動きがあるといいます。

つまり政府の制度に関係なく、企業の多くは「外国人労働者の雇用」に力を入れていることがわかります。今後、労働力の減少していく日本で、外国人労働者はなくてはならない存在となりつつあるのです。

2. 懸念される問題とは?

著者は、外国人をめぐる問題の一つとして、「賃金が下がる」をあげています。これは、外国人が日本にたくさん入ってくると、「日本人の賃金が上がらない」というものです。大量の労働力が、なんの政策もなしに入ってくれば、賃金を押し下げる現象がおこります。

例えば企業は、高校を出たばかりの自国の若者を使わず、賃金の安い外国人労働者を使うといったことです。これを解決するには、政府は外国人が入って来ても、賃金を下げない政策をとること。そして、受け入れる外国人は賃金が下がるほどの数ではないことを説明することが必要と述べます。

企業においては、外国人と日本人を区別せず、同等で評価し扱うことが必要です。実際、「介護」の現場では、その職場で働く日本人等の数を超えてはいけないという上限を設けており、すべて外国人だけで職場を構成することはできないようになっています。労働力として必要不可欠な外国人労働者は、「受け入れ方」次第で、大きな力となることもあれば、大きな問題となることもあるのです。

3. 外国人との付き合い方

著者は、今後増え続ける外国人労働者と共存していく考え方として、「日本人は本音を伝える必要がある」と述べています。なぜなら、日本人の「空気を読む」「本音と建前」「阿吽の呼吸」といったものは、外国人にはわからないからです。

これらは、日本人同士であれば、素晴らしいコミュニケーション能力ですが、外国人相手では皆無です。そんな外国人相手には、日本人の「本音」を伝え、説明していく必要があるのです。では、どうやって本音を伝えればいいのか?そこで必要となるのが「共生と同化」です。「共生」とは、異文化を認めるだけでなく、双方に歩み寄ることを指します。「同化」とは、価値観の共有のことを指します。

これら「共生」と「同化」のあいだくらいの考え方で、彼らに、この国の主張、価値観、ルールそしてその理由を伝えていくのです。日本人は自分の意思をはっきりと伝えることが苦手ですが、これらを乗り越え、外国人と共存していくことが、これからの時代に求められるのです。

まとめ

『同僚は外国人』について要約しました。「所変われば・・・」と言いますが、育った国が違えば、文化も違い、価値観や考え方も違います。「日本はこうなんだ」といくら説得しても、前には進まないでしょう。これを解決するには、「自分自身と向き合うこと」です。これからの時代に向けて、自分たちの考えを変え、より柔軟性に富んだ考え方にシフトすることで、時代を生き抜くことができるのです。

MinSuku
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