【書評】生産性を上げる“休息法”を学ぶ『「疲れない」が毎日続く!休み方マネジメント』

【書評】生産性を上げる“休息法”を学ぶ『「疲れない」が毎日続く!休み方マネジメント』

「疲れが取れない」「仕事量が増えてしんどい」と、今にも心が折れそうな人がいます。彼らに必要なのは「休む」ことですが、ただ休めばいいというものではありません。「効率的」に休むことが求められます。そこで今日は、効率的に休むための「マネジメント」についてまとめられた一冊をご紹介します。


著者・あらすじ

菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、脳の機能を活かした人材開発を行うビジネスプランをもとに、ユークロニア株式会社を設立。

あらすじ

作業療法士という肩書きを持つ著者が、「休み方」について解説します。「働きながら休息するには」「脳の負担を減らす仕事法」「脳が働きやすい環境」など、科学的知見をベースとして、休み方のマネジメントをまとめます。

1. なぜ「休息法」が必要なのか?

そもそも、本書が作られた意図、つまり、「なぜ休息法」が必要なのかについて説明します。「働き方改革」が推進されてから、こんな声が囁かれるようになりました。「時短勤務になったが、仕事のゆとりがなくなった」「テレワークになったが、家のこともやりながらなので、かえって忙しくなった」

「働き方改革」によって、個人の時間は増えたものの、作業量は以前のままなので、時間の密度が高くなり、かえって忙しくなっているというのが現状です。このような状況だからこそ、「休息法」が必要です。科学的で効率のよい方法で、自分自身をマネジメントしていくことで、仕事もプライベートも充実していくのです。

では、休み方をマネジメントするには、何をすればいいのでしょうか?そのキーワードとなるのが、「認知コスト」です。認知コストとは、「認知=認識する」「コスト=費用」、つまり「頭を使うこと」です。脳は常にエネルギーを消費していて、そのエネルギーは無限ではありません。この認知コストを、いかに減らすことがカギとなるのです。具体的には、『認知コストから「時間の使い方」を変える』『認知コストから「仕事のやり方」を変える』『認知コストから「仕事の環境」を整える』という3つのステップを踏みます。

2. 脳の“働き方改革”に必要なのは「環境」

実のところ、仕事の質は「脳が働きやすい環境」で決まると言われます。脳がいかに集中できるかは、「環境=場所」で大きく左右されるのです。脳が場所を把握する時、「景色」で把握します。これは、海馬と偏桃体の連携によって、ある場所とそこで体験した出来事、それに付随する感情がセットで記憶されます。

例えば、「図書館に行って勉強したら、すごく集中できた」という体験をしたとします。すると脳は、その「景色(図書館)」=「集中できる場所」と記憶するので、図書館へ行くと集中できるようになるのです。望ましい体験をした場所は、望ましい結果を得やすいということ、これを「フィードフォワード」と呼びます。この「フィードフォワード」は、過去の記憶をもとに、「前もって準備して行動に臨む働きのこと」で、望ましい体験をしたら、その場所での体験を増やしていき、記憶を強力に固定することができます。

方法としては、自分が一番やりたいことをする場所をつくり、その場所では「その勉強しかしない」と決めます。そして、この決め事に則って、体験を増やしていくことで、その場所に座ると、自然と集中できるようになるのです。場所と作業を能動的に組み合わせることで、認知コストを下げることができるのです。

3. 脳のポテンシャルを上げるには「睡眠」

3. 脳のポテンシャルを上げるには「睡眠」

休み方マネジメントにおいて、最強のツールとなるものが「睡眠」です。しかし、このツールは使い方次第で、大きく結果が異なります。「○時間寝ればいい」「寝だめすればいい」という考え方では、成功しません。睡眠を最強のツールにするには、「ただ生活しているだけで睡眠の質が上がる習慣」をつくることです。

では、どうしたら、「生活しているだけで質が上がる」のでしょうか?とりわけ、重要なものとして著者があげるのは、「ベッドの上でスマホ禁止」「起床時間を揃えること」です。「ベッドの上でスマホ禁止」…睡眠中、脳は、「記憶の整理」という作業を行っているので、スマホを使うと、その作業の邪魔になります。

「起床時間を揃えること」…よく言われるのが、「就寝時間」を揃えることですが、ここにこだわる必要ないと言います。逆に、起床時間を揃えることの方が重要です。起床時間が揃っていると、いつも同じ時間に眠くなるので、快眠に繋がるからです。以上を踏まえながら、睡眠に対する考え方を変えていくことで、最強のツールへと変えていくことができるのです。

まとめ

『「疲れない」が毎日続く!休み方マネジメント』について要約しました。著者が行動を変える時に持ち出しているのが「メンタルプラクティス」という方法です。これは、頭の中でその行動をしている自分を描くといったもので、イメージトレーニングのことです。頭の中でイメージすると、実際の行動と同じ意味を持つので、より習慣化しやすくなります。習慣化することで認知コストが下げられ、効率的に「休める」ようになるのです。

MinSuku
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