【書評】36万部突破のベストセラーから“伝え方”を知る『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』

【書評】36万部突破のベストセラーから“伝え方”を知る『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』

「プレゼンがうまくいかない」「人前でうまく話せない」と「伝えるのが苦手」な人がいます。話し方のテクニックを学んでも、一向に成果がでない。何かいい方法はないのでしょうか?実のところ、この悩み、「1分」で話せば、すべて解決するのです。


著者・あらすじ

伊藤羊一

ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長。株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。

あらすじ

孫社長に認められたプレゼンの達人が、たった1分で相手を動かす「話し方」を伝授します。「なぜ1分で話すのか?」「1分で話すには」「1分で動いてもらうには」など、目からうろこの「伝え方」が網羅されています。

1. 「1分で伝える」重要性

タイトルにもある「1分で話せ」。そもそもなぜ、「1分」で話す必要があるのでしょうか?実のところ、「人は相手の話の80%は聞いていない」という事実があります。例えそれが、会議や朝礼など、「人の話を聞く場面」であったとしても、人は相手の話を聞いていません。「眠い」「退屈」「ちょっと寒い」「早く終わらないか」と、いつの間にか違うことを考えているのです。

だからこそ、「1分」で話します。1分であれば、どんな相手でも聞いてくれる可能性が高くなります。「このサービスは素晴らしいです。自分は何もしなくても自動的に更新してくれるし、言えばいつでも来てくれるし、ポイントも貯まるし、サイトも見やすいし・・・」というプレゼンと、「このサービスはすばらしいです。手間もなくて、コストも低くて、サイトも見やすいです。」というプレゼンでは、後者の方が圧倒的に話を聞いてくれる可能性が高くなるのでしょう。

では、どうしたら1分で伝えることができるのでしょうか?著者が紹介する極意が「右脳と左脳に働きかける」という方法です。ビジネスシーンにおいては、左脳に働きかける「ロジック」は確かに重要です。しかし、人は感情の生き物なのでロジックだけでは、「動いてくれない」のです。「左脳」でわかりやすく理解させ、「右脳」で感じてもらうことで、相手は動いてくれるのです。

2. 伝えるための「キホン」とは?

1分で話す極意を知る前に、押さえておきたい「キホン」があります。それが、「相手は誰」で「ゴールは何か」ということです。そもそも、何のためにプレゼンするのか?という根本原理に立ち返ると、「誰に、何をどうしてもらいたい」という構造に行き着きます。

つまり、「誰に」という相手に対し、動いてもらうことが、プレゼンの目的となるわけです。そこで、考えなければならないのが、「相手のこと」です。相手はどういう立場にいるのか?どんなことに興味があるのか?どんなことをこのプレゼンに求めているのか?など、相手をイメージしながら考えます。

次にやるべきことが「ゴールは何か?」を明確にすることです。これは、プレゼンを通して「聞き手をどういう状態に持っていくか」「どこをプレゼンのゴールとするのか」を明確にします。厳密に言えば、「聞き手が賛成にせよ、反対にせよ、何らかの意見を表明してくれればよい」「聞き手が賛成してくれたらよい」など、どこまでやればいいのかを決めます。

ここで注意しなければならないのが、プレゼンのゴールは「理解してもらう」ことではないことです。「理解してもらう」ことは前提で、理解した上で「どう動いてもらうか」がゴールなのです。プレゼンは「相手を動かしてなんぼ」ということを、心に留めておかなければなりません。

3. 「1分で話す」には?

では、実際にどうしたら「1分で話す」ことができるのでしょうか?それが、「ピラミッドで主張と結論を整理すること」です。ピラミッドとは、ロジカルシンキングで登場する「ピラミッドストラクチャー」のことを指します。ピラミッドの天辺に「主張」という結論があり、その下に複数の「根拠」が支えるという構造です。

やってしまいがちなのは、「結論」がなく、事例やデータなど、「根拠」だけが羅列した話し方です。相手は、根拠ばかり並べ立てられても、そこから何を読み取ればいいのかわかりません。「結論」が天辺にあることで、すぐに伝えることができるのです。

では、この「結論」とは、何でしょうか?著者曰く、「自分の中にあるデータや自分の外にあるデータを加工しながら、結論を導き出すこと」と述べます。知識や情報というのは、データであり、それを知ることに意味はありません。知識や情報というデータを、自分なりに予測したり、加工したりすることで、結論を導き出します。この結論こそが、もっとも言いたいことであり、相手に動いてもらうための力となるのです。「1分で話す」には、「根拠」で「結論」を支えるピラミッドを完成させる必要があったのです。

まとめ

『1分で話せ』について要約しました。著者は、最初からプレゼンの達人だったわけではありません。以前は、「君の言っていることは理解できない」と言われ、「急に説明を求められても答えられない」と散々でした。しかし、グロービスの授業で「何が大事なのか?」「どうしたら相手に伝わるのか?」を学んだことで、孫正義氏にお墨付きをもらうまでになったのです。このことから「伝え方」を知り、数をこなすことで、「伝えるのが苦手」を克服できるのです。

MinSuku
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