燻製とはどんな食べ物?
塩漬けした魚や肉を煙で燻して、長期間保存できるようにした食べ物が燻製です。最近は冷蔵や冷凍などのあらゆる技術があり、燻製せずに食べ物を長期的に保存できる環境が整っています。そのため燻製は、独特なスモークの風味を楽しむ食べ物となり、お酒のおつまみやキャンプ料理などとして愛されています。
燻製は煙に含まれるフェノール化合物や有機酸などにより、殺菌や風味、色などがプラスされ、食材がそのままよりも美味しくなるのが魅力。燻製は大きく分けると、三通りの調理方法があります。ひとつは熱燻と呼ばれ、バーナーなどの熱を使って炙りながら燻製にする方法。80℃~120℃ほどの高温で、数分から二時間程度で作り上げます。そして音燻という方法は、温度が30℃~80℃ほどで一~二時間ほど燻煙し、直接火をつけるスモークウッドが適しています。そしてもうひとつは、低い温度で時間をかけて燻す方法です。スモークサーモンなどは数週間ほどかかることもあり、燻製の上級者向けでしょう。
燻製に必要な二つのアイテム

燻製の初心者には、二つのアイテムが必要になります。まずは煙の元になる燻煙材。スモークチップやウッドチップと呼ばれる、細かくカットされた木片です。さらに木片を砕いて、ブロック状にしたタイプもあります。桜の木やヒノキなど、種類によって風味が変わるため、食材との相性と考えて選ぶのもよいでしょう。
そして燻製の初心者に必要なものは、燻製器。アウトドアショップなどで売っている専門的な燻製器を使ってもよいのですが、初心者なら自作でトライするのもオススメです。段ボール箱を使った燻製キットが、ネット通販などで販売されていますので、ぜひ参考にしてください。
キッチンで燻製を作る方法
燻製は煙が近所迷惑になる時もありますので、くれぐれも注意して行いましょう。外のスペースがない場合は、キッチンコンロで鍋を使う燻製方法がオススメです。揃えるものは鍋とスモークチップ、アルミホイル。鍋底にアルミホイルを敷いて、その上にスモークチップを置きます。チップから5cmほど上に、100均などでも購入できる魚焼きの網を載せてください。高さ調整は、アルミホイルを丸めたものを使うとよいでしょう。
食材を網の上に並べたら蓋をして、中火で二~三分加熱。白い煙が見え始めたら、十分ほど燻してください。火を止めて蓋をしたまま、さらに十分。食材の色を確認して、必要であればさらに燻して仕上げましょう。外で燻製を作る場合は、段ボールや網、スモークウッドがあれば同じように燻製が作れます。箱の底に熱源が不要のスモークウッドを入れ、箱側面に切り込みを入れて網を置き、食材を載せて燻します。スモークウッドに食材の油が垂れて、火がついてしまう場合もあるので、必ず火元には注意して行ってくださいね。
簡単にできる食材三種

燻製の初心者にオススメの食材を、三種類ご紹介します。まずはおつまみに人気のスモークチーズ。下ごしらえが不要で、買ったチーズをそのまま燻製するだけです。チーズの種類によっては熱で溶けやすいタイプがありますので、初心者にはプロセスチーズがオススメ。カマンベールを燻製にする時は、アルミのお皿に乗せてから作ると簡単でしょう。次は小さい子供にも人気があるスモークチキン。手羽先やもも肉などに、お好みで下味をつけて燻してください。クリスマスのメニューにもピッタリですね。
そしてもうひとつ、簡単な食材がゆで卵。燻製する前に半熟状態にゆでた卵を、めんつゆなどに三時間ほど漬け込んでおきます。表面の水分を、しっかりと乾燥させてから燻製にしましょう。ラーメンのトッピングやおつまみによい、「くんたま」が簡単に作れます。肉や魚などの素材の味を活かして美味しい燻製を作るには、スパイスもぜひプラスしてみましょう。食欲を増進するガーリックやオニオンパウダー、オレガノやセージ、ローズマリーなどのハーブもオススメです。燻製にする前に、食材を前夜からスパイスや調味料に漬け込んでおくと、さらに美味しくなるでしょう。
まとめ
手作りの燻製は、初心者にも決して難しいものではありません。燻煙器とスモークチップ、そして燻製が作れる場所があればOK。自己流の簡単な燻製キットを作り、アウトドアや特別な日の料理にぜひトライしてください。おつまみだけではもったいないほど、バリエーションが思いつくでしょう。